時間単価で請求する人のためのiPhone時間記録アプリ7選(2026年)。測った時間を、取りこぼさず売上に
時間で請求する仕事は、職種が違っても悩みが似ています。電話一本の相談、移動中の修正、深夜の30分。測らなかった時間は請求できず、請求しなかった時間は誰も払ってくれません。この記事は、翻訳者でも、コンサルタントでも、講師でも、現場の職人でも、時間単価で食べている人が、iPhoneで時間を記録して請求書まで運ぶためのアプリの順位です。

2009年5月、日本のApp Storeでこんなレビューをもらいました。作業時間を記録して集計するソフトで、顧客・プロジェクト・タスクの3階層で工数を集計できる。一度タスクを登録すればあとはタップしていくだけ。休憩時間も入力でき、期間を指定してメールで一覧を送れるから「使えるもの」になっている。17年前の短い文章ですが、時間で請求する人がアプリに求めることがほとんど全部書いてあります。
このページは職業別ガイドの入口です。電気工事士や配管工、大工や塗装職人向けの個別のページもありますが、ここでは職種を問わず、時間単価で請求する一人の人に向けて、いちばん広い候補から選びました。会社の勤怠管理や、チームのプロジェクト管理を探している人には、ここに並ぶアプリの多くは小さすぎます。
ルールは二つです。評価と件数は書いた日の日本のApp Storeの表示そのままで、あなたが照合できます。そして1位は私が作っているアプリです。2位以下は、iTimeSheetが合わないときに私が本気で勧める順番です。
順位の付け方
時間で請求する人にとって大事なのは、記録の手軽さと、その記録が売上として正しく残るかどうかです。その二つを軸にしました。
- 測り始めるまでの手数思い出したときに1タップで始められないと、短い仕事ほど記録から漏れます。ロック画面やWatchから始められると漏れが減ります。
- 顧客ごとの単価が正しく効くか同じ一時間でも、顧客や案件で単価が違います。設定が引き継がれ、例外の1件だけ上書きできること。
- 記録から請求書まで写し替えがないか時間を測るアプリと請求書のアプリが別だと、月末に数字を写す作業が残り、そこで間違えます。
- データの置き場所顧客名と単価と売上は、あなたの商売の中身です。提供元のサーバーに置くのか、iPhoneの中に置くのか。
- 長く使えるか時間の記録は何年分もたまって価値が出ます。更新が続いているか、辞めるときに書き出せるかを見ました。
ランキング
App Storeの評価は2026年10月15日時点(日本のApp Store)。

iTimeSheet
時間を測るところから、請求書と入金の確認までを一本で
iTimeSheetは顧客 → 案件 → タスクの3階層で時間を記録します。翻訳者なら出版社 → 書籍 → 章、コンサルタントなら顧客企業 → プロジェクト → 作業、職人なら施主 → 現場 → 工程です。階層は顧客だけ、またはプロジェクトだけに畳むこともできます。時間単価は顧客 → 案件 → タスク → 記録1件の順に引き継がれ、どこでも上書きできます。タイマーは1タップで開始、一時停止と再開、途中で案件を切り替えれば前の記録は保存されます。曜日ごとに好きな時刻のリマインダーを設定でき、Apple WatchとProのウィジェット、ロック画面、Dynamic Islandからも操作できます。
記録はEssential以上でCSV(列、順序、形式、区切り文字まで設定可能)と整形済みのPDFタイムシートに書き出せ、選んだAppleカレンダーに片方向で送ることもできます。レポートは顧客別の売上と時間、前の期間との比較、売上の推移。経費はEssentialで自分のカテゴリの明細、Proで領収書の写真と14種類の既製カテゴリ。Studioでは請求書タブに顧客ごとの未請求額が出て、1タップでロゴ入りのPDF請求書になります。年ごとの連番、日本向けの法定記載事項、振込先、見積から請求書への変換、着手金、赤伝、期限超過の催促、毎月の定期請求のリマインド、入金済みの管理まで。インボイスの登録番号は発行者情報として自分で入力します。
アカウントはなく、提供元のサーバーも分析SDKも広告もありません。データはiPhoneの中のSQLiteデータベースにあり、バックアップは自分のiCloud Driveに1ファイル。そのぶん制約もはっきりしています。iPhoneとApple Watch専用で、iPad版もWeb版もMac版もなく、複数端末のリアルタイム同期もありません。一人用です。会計ソフトへの直接連携はなく、請求書のテンプレートも選べません。表示言語は英語・フランス語・スペイン語・ドイツ語・韓国語で、日本語UIはありません。

強み
- 顧客 → 案件 → タスクの3階層と、記録1件まで下りる単価の引き継ぎ
- Apple Watch、ウィジェット、ロック画面、Dynamic Islandからタイマー操作
- Studioで未請求額から1タップ請求書、見積、着手金、赤伝、催促、入金管理
- アカウントなし、データはiPhoneの中、解約してもデータは消えない
弱み
- iPhoneとWatchのみ。PCやiPadで同じ記録を開けない
- 一人用で、チームの共有はない
- 会計ソフト連携なし、請求書のテンプレートは選べない
- 日本語UIなし。日本のストアの評価はまだ1件
向いている人: 顧客ごとに単価を決めて自分で請求する一人事業者。時間の記録と請求書を同じ数字で回したい人。
料金形態: 無料で顧客3件、1日2件の記録まで使えます(書き出しは無料枠ではできません)。Essentialは¥600/月または¥4,000/年、Proは¥1,000/月または¥7,000/年、Studioは¥1,500/月または¥11,000/年。Essentialには月払いで7日、年払いで14日、Proには7日の無料トライアルがあります。Studioにトライアルはありませんが、透かし入りの請求書プレビューで自分の実データのPDFを買う前に見られます。Apple経由の自動更新で、解約はAppleアカウントの設定から。
★★★★★ 重宝しています« 作業時間を記録し、集計するためのソフトです。顧客、プロジェクト、タスクの3階層で、分類・記録し、工数を集計することができます。一度タスクを登録すればあとはタップしていくだけなので入力は手軽です。 円グラフによる分析もできます。 休憩時間も入力できること、期間を指定してメールで一覧が送信できることにより使えるものとなっています。 »
kntm.br · App Storeレビュー · Japan · 2009年

Timemator
買い切り、アカウントなし、iCloud同期。請求書は出さない
Timematorは買い切りの時間記録アプリで、アカウント不要、iCloudで同期し、時間単価と売上を計算し、顧客向けのPDFレポートを出し、Live Activityにも対応しています。Apple Watchでも使えます。2026年10月15日時点の日本のApp Store評価は4.9(10件)。サブスクリプションを払いたくない人、複数のApple端末で同じ記録を見たい人には、iTimeSheetより合っています。請求書は作れないので、請求は別の方法で出すことになります。
強み
- 買い切り、アカウント不要
- iCloud同期、Apple Watch、Live Activity
- 時間単価と売上、顧客向けPDFレポート
弱み
- 請求書は作れない
- 階層はフォルダ → タスクで、顧客単位ではない
- 日本のストアの評価は10件と少ない
向いている人: サブスクリプションが嫌いで、iCloud同期が欲しく、請求書は別のツールで出している人。
料金形態: 買い切り

Toggl Track
PCとiPhone、チームで使うなら定番のクラウド
Toggl Trackは顧客・プロジェクト・タグで記録するクラウド型の時間記録サービスです。iPhoneアプリは無料でTogglアカウントに同期し、詳しいレポートはWebにあります。2026年10月15日時点の日本のApp Store評価は4.6(およそ1,600件)。PCのブラウザでもiPhoneでも同じ記録を見られ、チームで使える。この二点はiTimeSheetにはなく、素直に負けています。iPhoneアプリに請求書はなく、データはTogglのサーバーにあります。
強み
- iPhoneとWebで同じ記録、チーム対応
- iPhoneアプリは無料
- 評価件数が多く、更新が続いている
弱み
- アカウント必須、データはTogglのサーバー
- iPhoneアプリに請求書はない
- 詳しいレポートはWeb側
向いている人: PCで仕事をする時間が長い人、複数人で記録を共有したい小さなチーム。
料金形態: iPhoneアプリ無料、Web有料プラン

工数ノート
日本語で、時間単価と売上をすぐに
工数ノートは2026年1月に出たフリーランス向けの日本製アプリです。タイマー、案件ごとの時間単価、売上の自動計算、レポート。アカウント不要でデータは端末内。日本語の画面で、無料から始められるという点では、日本語UIのないiTimeSheetより入りやすいはずです。請求書の機能はなく、Apple Watchにも対応していません。2026年10月15日時点の日本のApp Store評価は5.0ですが、件数はまだ1件です。
強み
- タイマー、時間単価、売上計算
- 日本語、アカウント不要、端末内保存
- 無料から始められる
弱み
- 請求書は作れない
- Apple Watch非対応
- 公開から10か月で評価1件
向いている人: 日本語の画面で、案件ごとの時間と売上だけを手軽に把握したい人。
料金形態: 無料(アプリ内課金あり)

Misoca
日本語の請求書と郵送。時間は別のアプリで
Misocaは弥生の請求書アプリで、見積書・納品書・請求書をインボイス制度に沿って作り、郵送まで任せられます。2026年10月15日時点の日本のApp Store評価は4.7、件数はおよそ1万5千件で、このリストでいちばん多くの人に使われています。日本の取引先に出す書類としての安心感と郵送代行は、iTimeSheetにない強みです。アカウントが必須でデータは弥生のサーバー、時間を記録する機能はありません。
強み
- 見積書・納品書・請求書、インボイス制度対応
- 郵送代行
- 評価件数が圧倒的
弱み
- 時間の記録はない
- アカウント必須、データは弥生のサーバー
- 時間記録アプリとの二本立てになる
向いている人: 請求書の様式と郵送を最優先にし、時間はほかのアプリで記録する人。
料金形態: 無料プラン+有料プラン

atWork
雇われて時給で働く人の、勤務時間と給料の記録
atWorkは勤務時間と給料を記録するアプリで、フリーランスと時給で働く人の両方を想定しています。Siriでの打刻、iCloudバックアップ、CSV・Excel・PDFのタイムシート、Apple Watch、22言語。アカウントは不要です。2026年10月15日時点の日本のApp Store評価は4.5(79件)。請求書の機能はありませんが、勤務時間の証拠を残す目的なら軽くて十分です。
強み
- アカウント不要、iCloudバックアップ、Apple Watch
- CSV・Excel・PDFのタイムシート
- 22言語対応
弱み
- 請求書の機能はない
- 顧客ごとの階層は浅い
- Pro機能はアプリ内課金
向いている人: 時給で雇われて働き、自分の勤務時間と給料を記録しておきたい人。
料金形態: 無料(アプリ内課金あり)
ATracker
一日の使い方を円グラフで。請求のためではなく
ATrackerは個人の活動や習慣を記録して円グラフで見せるアプリです。PDFとCSVの書き出しは買い切りのPro機能で、同期は任意のWebサブスクリプション。2026年10月15日時点の日本のApp Store評価は4.6(681件)。自分の一日がどこに消えているかを知るには向いていますが、顧客や請求を中心に作られてはいません。時間単価で請求する人には、補助の道具という位置づけです。
強み
- タップで記録、円グラフで一目で分かる
- PDF/CSV書き出しは買い切り
- アカウントは任意
弱み
- 顧客や単価の概念がない
- 請求書は作れない
- 同期は別のサブスクリプション
向いている人: 請求よりも、自分の時間の使い方を見直したい人。
料金形態: 無料(アプリ内課金あり)
比較表
| アプリ | アカウント必須 | データの保存場所 | 請求書 | 領収書の写真 | 対応 | 料金形態 | 評価 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| iTimeSheet | 不要 | あなたのiPhone(バックアップは自分のiCloud) | はい (Studio) | はい (Pro) | iPhone + Apple Watch | 無料プラン+有料プラン | 1.0 ★(1) |
| Timemator | 不要 | あなたのiPhone(バックアップは自分のiCloud) | いいえ | — | iPhone + Apple Watch | 買い切り | 4.9 ★(10) |
| Toggl Track | 必須 | 提供元のサーバー | いいえ | — | iPhone + Web/その他 | iPhoneアプリ無料、Web有料プラン | 4.6 ★(1,592) |
| 工数ノート | 不要 | あなたのiPhone(バックアップは自分のiCloud) | いいえ | — | iPhone | 無料(アプリ内課金あり) | 5.0 ★(1) |
| Misoca | 必須 | 提供元のサーバー | はい | — | iPhone + Web/その他 | 無料プラン+有料プラン | 4.7 ★(14,937) |
| atWork | 不要 | あなたのiPhone(バックアップは自分のiCloud) | いいえ | — | iPhone + Apple Watch | 無料(アプリ内課金あり) | 4.5 ★(79) |
| ATracker | 任意 | あなたのiPhone、クラウドは任意 | いいえ | — | iPhone + Web/その他 | 無料(アプリ内課金あり) | 4.6 ★(681) |
App Storeの評価は2026年10月15日時点(日本のApp Store)。
iTimeSheetで過ごす一日
フリーランスの翻訳者が、三つの顧客を抱えた木曜日をiTimeSheetで過ごすとこうなります。
9時、リマインダー
木曜9時に設定した通知が届き、ロック画面から「A出版 → 技術書 → 第4章」を開始します。単価は出版社に設定したものが自動で効きます。
11時20分、急ぎの電話
B社から契約書の確認依頼。案件を切り替えると第4章は2時間20分で保存され、B社の単価で新しい記録が始まります。急ぎ対応なので、この1件だけ単価を上書きします。
15時、打ち合わせで外出
電車代を経費として同じ案件に記録し、Proなら領収書も撮っておきます。移動中はApple Watchで一時停止、カフェに着いたら再開。
18時、一日の確認
「今日」画面で顧客ごとの時間、週の画面で今週の合計を確認。月末にどこへいくら請求するか、ここで見えています。
月末
Studioの請求書タブで、顧客ごとの未請求額から1タップで請求書。入金が来たら入金済みにして、レポートで請求済みと入金済みを見比べます。

よくある質問
電波のない場所でも記録できますか?
できます。記録はすべてiPhoneの中のデータベースに保存されるので、機内でも地下でもタイマーと手入力は普通に動きます。Apple Watchでのタップは、iPhoneと離れているあいだ溜めておかれ、つながった時点で押した時刻に遡って登録されます。通信が必要なのは、自分のiCloudへのバックアップと、Appleでのサブスクリプションの購入だけです。
顧客の名前や単価は、どこに保存されますか?
あなたのiPhoneの中だけです。アカウントもメールアドレスの登録もなく、提供元のサーバーもありません。バックアップは自分のiCloud Driveに1ファイルとして置かれ、ファイルアプリで確認できます。手動バックアップは全プラン、毎日の自動バックアップはEssential以上です。App Storeのプライバシー表示にある項目は匿名のサブスクリプション処理用で、あなた個人には紐付かず、トラッキングにも使われません。
インボイス制度や源泉徴収に対応した請求書は出せますか?
Studioの請求書は日本向けの法定記載事項を備えたレイアウトで出せ、適格請求書の登録番号は発行者情報としてあなたが入力します。顧客ごとに住所や支払条件を請求プロフィールとして保存でき、振込先と自由記述の支払い案内も載せられます。源泉徴収税額を自動で差し引く機能はないので、必要な場合は自由記述欄で補い、扱いは税理士に確認してください。電子帳簿保存法への対応はうたっていません。
一人で使うといくらですか?
無料枠は顧客3件と1日2件の記録まで。Essentialは¥600/月または¥4,000/年、Proは¥1,000/月または¥7,000/年、Studioは¥1,500/月または¥11,000/年です。請求書を出すならStudio。Studioに無料トライアルはありませんが、透かし入りの請求書プレビューで自分の実データのPDFを確認してから買えます。支払いはApple経由の自動更新で、解約はAppleアカウントの設定から。解約してもデータは消えず、ロックもされません。
本業と副業、複数の顧客を一つのアプリで分けられますか?
分けられます。顧客ごとに単価を持たせ、その下に案件とタスクを作る構造なので、本業の顧客と副業の顧客を並べても、レポートでは顧客別の売上と時間に分かれて出ます。期間は週、月、四半期、年、任意の範囲で切り替えられ、前の期間との差も見られます(顧客からプロジェクトへの掘り下げはEssential以上)。ただし一人用なので、別の人と記録を共有することはできません。
結論
時間単価で請求する一人の人に、私はiTimeSheetを最初に勧めます。顧客ごとの単価が記録1件まで正しく効き、測った時間がそのまま請求書の未請求額になり、データはどこのサーバーにも置かれません。
サブスクリプションが嫌でiCloud同期が欲しいならTimemator、PCやチームで使うならToggl Track、日本語の画面を最優先するなら工数ノート、日本語の請求書と郵送ならMisoca。自分の職業に近いガイドがあれば、そちらも見てください。順位が少し変わります。